心理士による性暴力被害の心の影響とケア方法を公開!【イベントレポート】

SITERS

2023年7月2日(日)に、心理士の斉藤梓さんをお招きして「性被害と心理ケアを知る」を開催いたしました。

今回は、当日に参加できなかった方向けに、イベントの内容を抜粋してご紹介します。

イベント詳細

  • 開催日時: 2023年7月2日 19:00-20:00
  • 開催場所: Zoom
  • 参加費用:無料

イベントの内容

性暴力やトラウマについて知ることでご自身の経験を理解し、心理的ストレスを解消するための方法についてのセッションを実施しました。

イベントページはこちら

齋藤 梓さんについて

上智大学卒業後、上智大学大学院博士前期課程、同後期課程に進学、臨床心理学を学ぶ。臨床心理士として精神科クリニックや感染症科(HIVカウンセラー)、小中学校(スクールカウンセラー)に勤務する一方で、東京医科歯科大学難治疾患研究所にて技術補佐員としてPTSDに対するProlonged exposure therapyの治療効果研究に携わる。2008年からは、民間支援団体にて殺人や性暴力被害等の犯罪被害者、遺族の精神的ケア、およびトラウマ焦点化認知行動療法に取り組んできた。現在、上智大学総合人間科学部心理学科准教授として教育と研究に携わりながら、被害者支援の実践も継続している。臨床心理士、公認心理師、博士(心理学)

主催者について

SISTERS incは、「話しにくい、相談しにくい」問題を安心して相談できるコミュニティです。性暴力をはじめ、ジェンダー・生理などの誰にも話せないことを、誰もが話せる場所にするために活動しています。

性暴力被害とは、何が傷つけられる被害か?

イベントの前半では、斉藤さんによる性暴力とトラウマについての講義を実施いたしました。

人が感じる不快感や傷つきは、「境界線」に関連していること、この「境界線」を尊重することが大切であるとお話いただきました。

斉藤さん
斉藤さん

同意なく境界線を侵害するというのは非常に暴力的なことだというふうに思います。
境界線を尊重することが人間関係ではとても大事で、相手を大事にするとか、相手の安全とか、尊厳を守るということに繋がると思います。
性的な状況に関しては、この境界線が何より重要となり、 誰とどんな性的なことをするか、誰に自分の体を見せるかなどは、全て個人が自由に決めるべきことです。

性に関わる部分はとてもプライベートで、命にも関わるため、境界線が尊重されない場合、身体的・精神的な安全さえも脅かされていく、ということになるそうです。

性暴力被害がもたらす心の影響

次にイベントでは、性暴力被害の心の影響のお話に移りました。

性暴力による被害は、深刻なトラウマを引き起こすものであり、これが様々な精神疾患のリスクを高め、そして人の尊厳や人の人生に影響するところがとても重大であるとお話しいただきました。

斉藤さん
斉藤さん

トラウマの反応として、 眠れなくなったり、ご飯が食べられなくなる、イライラするといった身体的な反応が出ます。
あるいは、繰り返し思い出してしまう、そのことを思い出させるものを避けたくなるといった、精神的な反応も出ます。
さらに行動上の変化としても、外に出たくない、人に会いたくない、などもでてきますし、あるいは自分に対してすごく否定的な考え方になることなどが、一般的に言われるトラウマ反応です。

斉藤さん
斉藤さん

それだけではなく、自分の尊厳が傷つけられるような出来事から、 自尊心が下がっていったりします。
自分自身を大切にしたくないなどの気持ちも生まれます。
しかし、これらの反応は、弱さから起こるものではなく、深い心の傷から出てくる心と体の反応であり、その人が自分なりにトラウマと対処しようとした結果です。

斉藤さんは、自分の状態について思いを巡らせ、自分を理解することが重要だとお話しいただきました。

理解を促すことで自分を少し落ち着かせたり、呼吸を整えたり、といった自分でできる対処が可能になるそうです。

ただ、それは一人で行うのは難しいため、その過程を共に一緒に頑張ってくれる人がいるとよかったりするとお話しいただきました。

【実践】心のケア方法

後半では、すぐに実践できる呼吸方法を教えていただきました。

息を吸う時に体が緊張して、息を吐く時に体が緩む習性があるので、これから意識してゆっくり息を吐いて、体が緩む時間を長く作ることができる呼吸方法を参加者の皆さまと実践しました。

また、「心の救急箱」を考えることもおこないました。

自分の心が落ち着くための方法を名刺サイズの紙に記載をして、必要な時にすぐに利用できるようにするツールです。

例えば自分が落ち着ける場所のイメージや行動を具体的に書き、このカードを見ることで、安心感を得たり、自己コントロールを助けたりすることができます。

キャラクターのシールなどを貼ったりして、自分自身の感情に対して優しく接することができるように作成することもおすすめだそうです。

質疑応答

イベントでは、事前にいただいたご質問に斉藤さんにお答えいただく、質疑応答も実施しました。

一部、質問内容の紹介

Q.PTSDの症状がひどい当事者は、まずどのような支援や治療法から繋がっていくのが現状いいのでしょうか?

Q.学生時代に性被害にあい、PE治療を受けました。社会人になってからふと思い出してしまい動けなくなってしまうことがあります。被害から完全に回復したとはどのような 状況になれば言えるのでしょうか?

イベントのアーカイブ視聴の方法

現在、こちらのイベントの配信は、SISTERSの有料会員のコミュニティで展開しております。
質疑応答の回答をはじめ、呼吸方法や詳しい性暴力の専門的なお話をご視聴いただきたい方は、SISTERSのコミュニティにぜひお申し込みください!

性被害やジェンダーなど、女性の心と体が抱える問題に対して、イベントや匿名相談で悩みを解決したり気持ちを整えていくオンラインコミュニティです。

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